「知らないと恥をかく東アジアの大問題 / 池上 彰」の感想・あらすじ(その1)
2024/02/03
点数
79点
感想
池上さんの他の書籍と同様に、本書もとても勉強になった。
北朝鮮・韓国・中国とうまくやっていくことは極めて困難なことであるということを改めて感じた。
第1章: 北朝鮮に振り回されるトランプと日本、そして世界
- 北朝鮮は朝鮮戦争でコテンパンにやられたため、アメリカが怖くて仕方がない。
アメリカと交渉して「攻撃しないよ、今の体制のままでいいよ」と行ってほしいので、度々ミサイルを打ち上げている。 - ソ連崩壊後に北朝鮮が核開発に着手した際、クリントン政権は北朝鮮への攻撃を考えていた。
しかし、直前でカーター元大統領が北朝鮮へ行き「核開発をやめろ、その代わり援助する」と丸く収めた。
北朝鮮はそれで味をしめた。 - 第2次大戦後、朝鮮半島は38度線で南北に分割された。
朝鮮戦争の休戦協定で定めされた軍事境界線は38度線とは違っていて、西は北朝鮮、東は韓国が少し広くなっている。 - 実は韓国は休戦協定に署名していない。
韓国はまだ戦うつもりだったが国連軍と中国・北朝鮮が休戦協定に署名したため、手が出せない状態になっている。 - アメリカ大統領は日本の迎賓館には泊まらない。
他の国は必ず盗聴器を仕掛けるし、排便を回収して分析することさえあるため、部屋を数日前からおさえて調べる必要がある。
迎賓館でそれを行うのは日本に失礼になるため、別のホテルを利用するのである。
第2章: 不思議の国 北朝鮮
- 金正恩は異母兄の金正男、義理の叔父で政権ナンバー2だった張成沢を処刑した。
金正男は偽名を使って東京ディズニーランドに何度も来て日本当局に捕まった。
それが世界に報道されたことで金正日が激怒して後継者としての目がなくなった。
中国が身辺保護をして真顔で暮らしていたが、マレーシアの空港で殺害された。
北朝鮮の国民は金正男の存在、金正恩に兄がいることを知らない。 - 金正日の長男の金正男は正妻の子だが、三男の金正恩の母は高英姫という大阪出身の在日朝鮮人である。
高英姫は帰国運動によって北朝鮮に渡り、平壌芸術大学を卒業後に万寿台芸術団に入り、そこで金正日に見初められて3番目の妻となった。
ちなみに金正哲という次男、金漢率という金正男の長男もいる。
第3章: 戦後最悪?日韓関係
- 徴用公問題の報復として日本は韓国をホワイト国から外した。
これによりスマートフォンメーカーに必要な日本の高純度なフッ化水素の輸出検査が強化され、輸出に時間がかかるようになった。 - 韓国はWTOに提訴したが、WTOは機能不全により裁定を出すことができなかった。
WTOの最高裁判所にあたる上級委員会の委員7人のうち6人が任期切れで退任してしまい、後任の選出にアメリカが抵抗しているため。