「知らないと恥をかく世界の大問題13 / 池上 彰」の感想・あらすじ
2024/02/02
点数
79点
感想
「ロシアのウクライナ侵攻」「アメリカ大統領選挙」「習近平の政策」「岸田政権」などが扱われていたが、ロシアのウクライナ侵攻についての内容が多かった。
全体的な印象としては、アメリカの衰退と中国の成長が現在の世界のパワーバランスに大きな影響を与えている、と感じた。
印象に残った内容
- アメリカには党議拘束がないため、バイデン大統領は民主党内で板挟みになっていて、国民からすれば「指導力がない」と映ってしまう。
- バイデン大統領は「ロシアにウクライナに攻め込んだら?」という質問に対して「経済制裁はするがアメリカ軍を派遣することはない」と断言してしまった。
「あらゆる対抗手段がある」という言い方をすれば抑止力になったのだが、さっさと重要なカードを捨ててしまった。 - ソ連が1991年にワルシャワ条約機構を解体した後、ゴルバチョフが「NATOも解体してほしい」という提案したという話がある。
ロシアとアメリカの間で「NATOは東方拡大しない」と約束したということが、今回言った言わないの論争になっている。
公式記録にはないため、調印された文書ではない。
プーチンは、その時の約束が反故にされたと思っているようである。 - 2021年6月、イランで反米派のライシ大統領が誕生した。
- 習近平は毛沢東が実現できなかった台湾統一を目論んでいる。
アメリカが台湾を守ることができなくなるだけの軍事力を中国が持つことで、台湾に独立を諦めさせようとしている。 - 2022年3月、韓国で親日派の尹(ユン)大統領が就任した。
- 新型コロナウイルスの影響で、世界の富裕層と貧困層の格差が拡大した。
景気刺激のための財政出動や金融緩和によるマネーが株式市場に流れ込み、資産を保有する富裕層に恩恵をもたらした。 - ずっと清和会の首相が続いていたが、久々に宏池会から岸田首相が誕生した。
自由党系の宏池会は中道であり、日本民主党系の清和会は右寄りである。
日本維新の会は清和会より右寄りで、新自由主義を徹底させようという政党である。