「池上彰の世界から見る平成史 / 池上 彰」の感想・あらすじ
点数
80点
感想
平成の出来事がコンパクトにまとめられていた。
世界的には冷戦の終結、国内ではバブル崩壊と2つの大災害、が大きな出来事だった。
東京佐川急便事件、住専問題、はよく耳にしたが、詳細を理解することができた。
ヤルタ会談とマルタ会談
第2次世界大戦後の処理を話し合ったのがヤルタ会談、ブッシュとゴルバチョフが冷戦終結を宣言したのがマルタ会談。
東京佐川急便事件
首相になりたかった竹下登は、田中角栄を裏切って金丸信や小沢一郎と共に派閥を旗揚げしたことで、暴力団や右翼団体から嫌がらせを受けていた。
竹下に相談された金丸は、政界のタニマチ的存在であり裏社会とパイプがあった東京佐川急便の渡辺広康社長に相談、嫌がらせは終わった。しかし、渡辺社長が右翼団体に資金提供していたこと、金丸も同社から5億円の闇献金を受けていたこと、が東京地検の捜査により明らかになった。
当時の政治資金規正法では限界があり、金丸は罰金20万円の略式命令に終わったが、その後金丸は脱税で逮捕された。
住専問題
かつて大手銀行は貸出金額の小さい個人は相手にしていなかったが、1970年代になると住宅ローンの需要が増えたため子会社として住宅ローン専門会社=住専を作った。
住専は母体行からお金を借り、数パーセントの利子を上乗せして貸し出していた。
住専がバブルに乗って急成長すると銀行も住宅ローンを扱うようになったため、住専は事業用融資を拡大させていった。
1990年に大蔵省が不動産融資を制限する総量規制を行なったが、なぜか住専はその対象外とされたため、銀行は住専を通して不動産融資を続けた。
まもなくバブルが崩壊、住専は大量の不良債権を抱え、政府は6850億円もの公的資金を注入した。