「世界史劇場 ナチスはこうして政権を奪取した / 神野 正史」の感想・あらすじ
2024/02/03
点数
84点
感想
わかりやすく、面白かった。
英仏米が世界をダメにした、という印象が強く残った。
印象に残ったこと
- 日本が国際連盟に人種差別撤廃条項を要求し、投票で賛成多数だったのに議長のウィルソン米大統領によって却下された
- フランスはドイツに莫大な第1次大戦の賠償金を要求、さらにはドイツが支払い猶予を要求するとルールへ出兵し占領した
- イタリアは第1次世界大戦にて、ロンドン協定という密約でフィウメ返還の確約を得たからドイツらを裏切って協商側についた。 しかし戦後、英仏米は「約束したといっても、密約なので無効だ」と反故にした
- ヒトラーはドイツ軍としてドイツ労働者党にスパイとして潜入したのだが、スカウトされて入党してしまった
16ページ
第1次世界大戦後のパリ講和会議は、英仏米が利権を貪り合う場となった。
24ページ
国際連盟では、それまで「植民地」と呼ばれていたものを「委任統治領」と名を変えた。
しかし実態は植民地であり、ただ体裁を変え、名を変えただけで植民地支配を続けることを可能にしたのでした。
52ページ
ヴェルサイユ条約でオイペン・マルディがベルギー領となった。これによりフェン鉄道は始発駅も終着駅もベルギーだが、途中5回ほどドイツ領に入ることになった。
電車が国境を通るたびにパスポートチェックなどできるわけがないので、鉄道の沿線だけはベルギー領となった。これによりドイツの飛び地が5ヶ所もでき、現在もそのままである。