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「会社のことよくわからないまま社会人になった人へ / 池上 彰」の感想・あらすじ

2024/02/03
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感想

とても参考になったという内容は少なかった。ただ、今までなんとなくあいまいだったことが明確になった気がする。

会社が儲けたお金は誰のもの?

儲けたお金は、その会社を維持する経費に使われたり、税金を払ったり、に使われます。

あれっ、社員への給料はどうなるの?と聞きたくなるかも知れませんね。
社員に分配される給料は「人件費」として、会社を維持する経費の一部に含まれているのです。

法人とは

「法人」とは文字通り「法律上、人と同じように扱いますよ」という意味なのです。
私たちは土地やマイカーを持つことができます。
それは「人」だからです。それでは、会社だったらどうでしょう。
会社の人たちがセールスに行くために車を何台か買いました。これはいったい誰のものでしょう?
会社のお金で買ったものなら、会社のものですよね。だから車の名義を会社にします。
でも会社は人ではありません。車を持てるのは人ですよね。
そこで、会社が持てるようにしましょうという仕組みができた。
これが「法人」なのです。

登記

会社をつくるときは「こういう会社を設立しましたよ」と社会に示すために法務局に登記します。
この会社を法律上人と同じ扱いにして、社会に認めてもらったことになります。
そこで、初めて会社が車を持ったり、土地を持ったりすることができるようになるのです。
よく「法人カード」というものがありますが、これも会社名義のクレジットカードということです。
会社の所有物は社長の財産ではないので、遺族に相続されることはありません。
もちろん、亡くなった社長が会社の株をたくさん持っていれば、遺族は株を相続することで会社への支配権も相続します。
が、これは株主としてのことであって、車や土地を持っているのは会社そのものです。

会社は生き物

50年前のアメリカ大企業ベスト100のなかで、今でも残っている企業はGE(ゼネラル・エレクトリック)だけです。
GEは、昔はその名の通り、電気製品や発電機を作っていました。
しかし、今ではメディアや金融サービスといった11の多様な事業を100カ国以上で展開しています。
電気メーカーのままでいたら、他の大企業と同じようにとっくに姿を消していたはずです。
ウェルチという天才的な経営者が、新しい仕事に手を広げる一方、発展は望めない仕事はどんどん切り捨てていったのです。

生き残った会社と消えた会社

2005年5月、ドイツの世界3大フィルムメーカーのアグファが倒産しました。
デジカメの普及で倒産に追い込まれたのですが、日本の富士フィルムはデジカメに進出すると共に医療分野にも力を入れて発展してきました。
鈴木敏文イトーヨーカ堂会長は、周囲の反対を押し切ってコンビニ「セブンイレブン」を始めて大成功させました。
アート引っ越しセンターは、ご主人がやっていた運送会社に限界を感じた奥さんが、引っ越し専門会社にしたのが始まりです。
当時、電話帳で引っ越し屋を探す人が多かったので、名前順の先頭、しかも、ひらがなよりカタカナが先に掲載されるので「アイ」より前にくる「アート」としました。
電話番号も覚えやすいように0123で統一しました。

会社は大きくならざるを得ない

社員が年をとってきたら、ある程度の地位につけてあげないとモチベーションが下がってしまいます。
そのためには、新しい部や支店を作ってその人を部長や支店長にしたりします。
社員の意欲向上のためにも、会社は大きくならなければいけないのです。

キヤノンの由来

創業者の1人が観音様を篤く信仰していたため、最初のカメラに「カンノン」という名前を付け、それがCanonという社名になりました。

採用試験は会社も選ばれている

きちんと誠意のある対応をしないと、採用試験を受けた人は「もう2度とこの会社の製品は買わないぞ」と思います。
そして、周りの人にも口コミで伝わっていきます。
将来のお客様を失っているというわけです。
「落ちちゃったけど、あそこは良い会社だ」と思わせるようでないといけません。

会社法

過去には株式会社、有限会社、合名会社、合資会社、の4つがありました。
合名会社:社員が無限責任を負う
合資会社:無限責任を負う社員と有限責任を負う社員の両方がいる

2006年から新しい会社法によって新たに合同会社ができ、
株式会社と有限会社⇒株式会社
合名会社と合資会社⇒合資会社
に、それぞれ統一されました。
それまでに有限会社は「有限会社」の名前を使うこともできますが、新しく有限会社を作ることはできなくなりました。
合同会社は、出資者は有限責任(出資金の範囲内だけ)というもので、生協のような組織組合と考えていただければ結構です。

会社は株主のもの

株主に会社の経営を委託されているのが、取締役であり、社長です。
(中小企業の社長は自分で株を全部持っているので、社長でもあり保有者でもあるのです)
このことを経営学的には所有と経営の分離と言います。
株主が取締役を選び、取締役たちが社長を選ぶという形になっているのです。
ですから、取締役会が「社長は辞めなさい」と申し渡すこともできることになっています。
しかし、それもあくまで建前です。実際はそうなっていません。
なぜなら、その取締役たちを選んだのは社長だというのが実態だからです。
自分を選んでくれた人に「辞めろ」とはなかなか言えません。

取締役

意外に知られていないのですが、取締役は会社の社員ではありません。
社員が出世して管理職となり、さらに取締役になる場合、いったん企業を退職します。
その後あらためて取締役に委任され、会社の経営に当たるのです。
雇用契約ではないので、毎月受け取るお金は給料ではなく報酬と呼ばれます。

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