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「逆ソクラテス」の感想・あらすじ

2024/04/11
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72点

感想

主人公が小学生である5つの短編集。

著者の作品は好きだが、残念ながら本作はあまり面白くなかった。

最後の「逆ワシントン」の結末は伏線回収の理解ができず、ネットで検索して初めて意味がわかった。

また、各短編の登場人物がつながっているという情報もあり、1回読んだだけでは全体を把握できないほどスケールが大きい作品なのかもしれない。

「逆ソクラテス」のあらすじ

  • 冒頭のシーンにて、テレビのプロ野球中継で外野手がファインプレーをした後、顔を洗う仕草をした。
  • 主人公の加賀は6年生の時、テスト中に右隣の席の安斎から答えが書かれた紙切れを渡された。
  • 優等生で美人な女子である佐久間が「プリントが読みにくい」と担任の久留米先生に言って気を引いている間に、加賀は紙切れ左隣の草壁に渡した。
  • 安斎は何でも決めつける人に対して「俺はそうは思わない」と言う子であり、担任の久留米先生が草壁を見下していることに反発していた。
  • ソクラテスが「自分は何も知らないことを知っている」と言ったが「久留米先生はその反対だ」と安斎は加賀に言った。
  • 草壁が何かで活躍することで久留米の先入観をひっくり返すために、カンニング作戦を実行した。
  • 「佐久間が不審者に襲われそうになったのを草壁が助けた」というデマを流した。
  • プロ野球選手が学校に野球教室に来た際、安斎は選手に「素質がある、と草壁を褒めてほしい」とお願いし、選手はそれを実行した。
  • 安斎は草壁に「もしプロ野球選手になったら、活躍した後に顔を洗う仕草をしてくれ。顔を洗ってちゃんと自分の目で見ろ、という意味だよ。大人たちの先入観に負けなかったぞ、ってサインを送ってくれよ」と言った。
  • 安斎は小学校卒業後に転校してしまった。

「スロウではない」のあらすじ

  • 主人公の司は、小学校5,6年の時の担任だった礒憲先生とリレーのことを回想している。
  • 友達の悠太とは、ゴッドファーザーに出てくるマフィアのボスであるドン・コルレオーネにさまざまな人が依頼をしてくるのを真似していた。
    「ドン・コルレオーネ、やはり足が速いとモテるんでしょうね」「うむ、では」「はい」「消せ」
  • 転入してきた高城さんという女子ははわざと足が遅いふりをしていたが、急遽参加した運動会のリレーで本気を出してみせた。
  • 高城は前の学校でいじめっ子だったため、やり直そうとしているのであった。

「非オプティマス」のあらすじ

  • おとなしい久保先生が授業をしていると、騎士人(ないと)らはわざと缶ペンケースを落として妨害する。
  • いつも同じ服を着ている転校生の保井君は、主人公の将太に「みんなは僕を貧しい家の子だと思っているけど、これは仮の姿かもしれないよ。トランスフォーマーの司令官オプティマスは普段トレーラーの形をしているけどロボットに変形する。」と言った。
  • 久保先生は2年前に恋人を交通事故で亡くしていて「今日が命日」と話した。
  • その夜、将太と保井は久保先生が同級生の潤の家の前でお父さんと話しているのを見かけた。
  • 久保が紙袋から何かを取り出そうとしたところで、保井が缶ペンケースを落としたため久保は取り出すのをやめた。
  • 2年前、潤の父が落とし物をして、それを拾ってくれた女性が車に轢かれてしまったのであった。
  • 潤の父はそれを今でも後悔していると久保に話した。
  • それ以降久保は変わり、授業参観で「相手によって態度を変えることほど格好悪いことはない」などを力説した。
  • 帰り道、実は保井の母は騎士人の父の仕事のお客様であることがわかった。

「アンスポーツマンライク」のあらすじ

  • 主人公の歩はミニバスの最後の試合の終了間際、フリーなのにシュートを打たなかったため駿介が苦し紛れのアンスポーツマンライクファールをしてしまう。
  • 5年後、高校生になった歩たちは再会、公園で怪しい男が刃物を出したため男を取り押さえたが、歩だけは何もできず茫然と立っていた。
  • 事件後、歩たちは癌で入院中の磯憲の元へお見舞いに行った。
  • 磯憲は犯人を切り捨てるのは良くないと話した。
  • 体育館へミニバスを見に行くと、不審者が侵入し銃を発砲した。
  • 不審者は公園で取り押さえられた男だった。
  • 犯人が子どもを人質にとったが、駿介が男の足に飛び込み取り押さえた。
  • 駿介は「バスケのプロ選手を目指す」と言い、男の足を引っ掛けたことを「アンスポ」だったと言った。

「逆ワシントン」のあらすじ

  • クレーンゲームの攻略法についてまとめた京樹の自由研究が、保護者からのクレームにより取り下げられた。
  • 主人公の謙介と倫彦は学校を休んだ靖の家にプリントを届けに行ったが、靖の継父が挙動不審だったのが気になった。
  • 謙介と倫彦は、靖が虐待されているのではと心配になり、京樹にクレーンゲームで取ってもらったドローンで靖の部屋を覗いた。
  • 靖と継父が出てきて、靖が体育が苦手なためズル休みしただけだっとことが判明する。
  • 謙介は母とテレビを買いに行ったが、店員はテレビに映るバスケの試合を見て感動して泣いていた。
    (選手は「アンスポーツマンライクファウル」の駿介であり、店員は犯人だと思われる)

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