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「知らないと恥をかく世界の大問題11 / 池上 彰」の感想・あらすじ

点数

81点

感想

新型コロナウイルス、アメリカ大統領選挙、イギリスEU離脱、アメリカvsイラン、などが書かれていた。

中東と日本の章がわかりやすく、とても勉強になった。

概要

アメリカ

イギリスEU離脱

中東

東アジア

グローバル時代

日本

アメリカがイスラム革命防衛隊の司令官を殺害

イランはアメリカ寄りのパーレビ国王が近代化を進めていた。
それに反発したイスラム教徒が1979年にホメイニ師をリーダーにイラン・イスラム革命を起こした。
この時、国軍は国王を裏切って革命勢力側についた。
ホメイニ師は「国軍は裏切るかもしれないので信用できない」と考え、もう1つの軍隊「イスラム革命防衛隊」をつくった。

2020年、アメリカがイスラム革命防衛隊のトップだったソレイマニ司令官を殺害したことで、両国は一触即発状態となっている。

トランプ大統領の大罪、「イラン核合意」からの離脱

2015年、オバマ大統領は「核開発を10年間ストップすることの見返りにイランへの経済制裁を停止する」という「イラン核合意」を結んだ。

しかし、2018年にトランプ大統領は一方的に離脱して経済制裁を再開した。
これがアメリカとイランが緊張状態になった引き金となっている。

アメリカ史上最も長い18年間の戦争に終止符

2020年2月、アメリカはアフガニスタンと和平合意し、2001年10月から続いていた戦争に終止符を打った。

1979年12月、ソ連がアフガニスタンに侵攻した。
当時のアフガニスタンでは次々とクーデターが起きていたため、隣国が緩衝地帯でないと不安で仕方がないソ連は心配となり、自分寄りの国を作るために軍事介入したのである。
イスラム教の国だったアフガニスタンに宗教を否定する社会主義国が攻め込んだため、アラブ諸国からも応援が駆けつけ内戦となった。
アメリカはイスラム教徒側に資金と武器を与えて支援した。

「タリバン」をつくったパキスタンの罪

アメリカの支援によりソ連は撤退したが、アフガニスタン国内で民族間での権力争いが起こり再び内戦となった。
そこに侵攻してきた過激派組織タリバンによってアフガニスタンは支配されてしまった。

パキスタンのイスラム原理主義の集団は、アフガニスタンから逃げてきた難民の子どもたちのために神学校をつくってイスラム原理主義を教え込み、最新兵器を与えて兵士にした。
アメリカがパキスタン経由でアフガニスタンに送っていた兵器を、途中で抜き取っていたのである。
学生のことを「タリブ」と言い、複数形が「タリバン」である。

2001年の同時多発テロの後、タリバン政権がビン・ラディンの引き渡しを拒否したことから、アフガン戦争が始まった。
長期にわたる先頭は大きな負担となり、2020年2月に事実上のアメリカの敗戦で終結した。

中東で存在感を増す反米国家イラン

イランのトップはロウハニ大統領ではない。
その上にハメネイ師という最高指導者がいる。

シーア派はイスラム教徒の約15%の少数派だが、イランでは約9割がシーア派である。
スンニ派の指導者はカリフと呼ばれるが、シーア派ではムハンマドの血筋を引く指導者をイマームと呼ぶ。

12代目のイマームは突然姿を消してしまった。
イラン・イスラム革命を起こしたホメイニ師は「12代目のイマームが再臨するまでの間は、イスラム法学者が最高指導者として国を導けばいい」とした。
ホメイニ師が亡くなった後を継いだのが現在の最高指導者ハメネイ師である。

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