「伝え方が9割 / 佐々木 圭一」の感想・あらすじ
2024/02/03
点数
81点
感想
「言葉はひらめくものではなく、努力して作ることができる」と今まで考えたことがなかったので、感心させられた。
「正反対の単語を使ってギャップを作る」「単語をリピートする」などは、ちょっとした工夫でインパクトを与えることができる、素晴らしい技法だと思う。
この本の内容を会話中に瞬時に実行することは難しいので、普段から実行することで慣れていく必要があると思う。
伝え方で成功確率は上がる
- 「デートしてください」⇒「おいしいパスタの店があるから行かない?」
- 「レポートの提出期限を延期してください」⇒「クオリティを上げたいので、粘ることできませんか?」
- 「この領収書おとせますか?」⇒「いつもありがとう、山田さん。この領収書おとせますか?」
※ 感謝する言葉に、人は否定をしにくい。
※名前を言われると人は応えたくなる。
伝え方には技術がある
伝え方には技術がある、感動的な言葉は作ることができる。
著者は感動的な言葉に出会う度にノートのに書き写していた。すると、言葉の構造が似ていることに気づいた。
- 「考えるな、感じろ」
- 「ちっちゃな本がでかいこと言うじゃないか」
- 「死ぬことに意味を持つな。生きるんだ」
などは、どれも正反対の言葉を使っている。
相手のメリットと一致するお願いを作る
7つの切り口がある。
- 相手の好きなこと・メリット
ファーストフード店で「4分ほどお待ちいただけますか?」⇒「できたてをご用意します。4分ほどお待ちいただけますか?」
飛行機で「後方のお客様、前のお客様が出られるまで、お席でお待ちください」⇒「後方のお客様、お時間がかかってしまうので、ごゆっくりお仕度ください」
(気を使ってもらった感じになる=メリット) - 相手の嫌いなこと・デメリットの回避
「芝生に入らないで」⇒「芝生に入ると農薬の臭いがつきます」
「痴漢に注意」⇒「住民の皆様のご協力で、痴漢を逮捕できました」
「自転車放置禁止」⇒「この場所に放置された自転車は撤去されます」 - 選択の自由
選択肢を与えることで相手が決断しやすくなる。
「この案どうですか」⇒「A案とB案がありますが、どちらがよろしいですか?」 - 承認欲求
「残業お願いできる?」⇒「君の企画書が刺さるんだよ、お願いできない?」 - あなた限定
「自治会のミーティングに来てください」⇒「他の人が来なくても、○○さんだけは来て欲しい」
「初めて来たあなただけ、特別なデザートに変更します」 - チームワーク化
相手が「面倒臭い」「やる必要がない」という時に効果を発揮する。
「勉強しなさい」⇒「一緒に勉強しよう」 - 感謝
6つの切り口がどれも使えないときの最終手段。
「ありがとう」と感謝を伝えられるとノーとは言いにくくなる。
「トイレをキレイに使ってください」⇒「トイレをきれいに使っていただき、ありがとうございます」
強い言葉
強い言葉を作るには、言葉に高低差をつけてあげればよい。
- 「記憶に残る選手」⇒「記録より記憶に残る選手」
- 「あなたが好き」⇒「嫌いになりたいのに、あなたが好き」
強い言葉を作る5つの技術
- サプライズ法
文章の末尾に「!」を付けるだけで強い言葉になる。
「好き」⇒「好き!」
「びっくり、」「そうだ、」「ほら、」「実は、」「凄い、」「信じられない、」などを頭に付けるだけで強い言葉になる。
「今日はいい天気」⇒「びっくり、今日はいい天気」
「京都へ行こう」⇒「そうだ、京都へ行こう」 - ギャップ法
「これはあなたたちの勝利だ」⇒「これは私の勝利ではない。あなたたちの勝利だ」
最も伝えたい言葉を決め、その正反対のワードを前半に入れるだけで強い言葉になる。
「私は見方です」⇒見方の正反対は敵⇒「誰もが敵になっても、私は見方です」「どんな敵が現れても、私は見方です」
「ここのラーメンは旨い」⇒旨いの正反対は不味い⇒「他の店が不味く感じるほど、ここのラーメンは旨い」 - 赤裸々法
「上を向いて歩こう、涙がこぼれないように」
「唇がふるえてる、あなたが好き」
言葉に体温を感じさせ、詩人のようなニュアンスを作り出すことができる。 最も伝えたい言葉を決め、体がどう反応しているかをを前半に入れるだけでよい。
「お腹がすいた」⇒「何も考えられない、お腹がすいた」
「素敵な夜でした」⇒「思い出しても顔が真っ赤になるくらい、素敵な夜でした」 - リピート法
「咲いた咲いたチューリップの花が」
「毎日毎日僕らは鉄板の」
「遠く遠く離れゆく烏帽子ライン」
「会いたくて会いたくて震える」
「人民の人民による人民のための政治」
「前に進みたいと思っています」⇒「前に、前に進みたいと思っています」 - クライマックス法
聞き手の集中スイッチを入れ直すことができる。
「これだけは覚えてほしいのですが」
「ここだけの話ですが」
「誰にも言わないでくださいね」
「一言だけ付け加えますと」
「私はカレーが好きです」⇒「ここだけの話ですが、私はカレーが好きです」」
強い長文
人は長文を読みたくない。
タイトル、最初の1文、最後の1文、で強い言葉を使うとよい。
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