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「生き残る技術 / 野村 克也」の感想・あらすじ

点数

74点

感想

聞いたことのある内容が多かった。
最後の「何のために生きているのか」は、心に響く内容だった。
稲盛和夫さんと同じ答えであり、ある域に到達した人はそういった考えになるのだと思う。

第三者の目で見る

プロ5年目、体の調子はどこも悪くないのに、なんとまったく打てなくなってしまった。
「なぜだ?まだ、努力が足りないのか?」と、それまでにも増して素振りを繰り返したが、まったく効果がない。

私はハッと気付いた。
そうか、私は自分のことしか考えていなかったが、バッターはピッチャーと戦っているわけだから、ピッチャーがどう攻めてきているかをしっかりと考えなければならなかった。
自分の不振を大局的に捉え、俯瞰して物事を考える必要があったのに、若かった当時の私にはその大局的な視点が欠けていた。

人は調子が悪くなると、どうしても「自分の何がいけないのか」と思考が内向きになりがちだ。
でもそんな時こそ視点を自分の外に置き、客観的に自分を眺めるようにすることが大切である。
そのためには、常日頃からいろんな視点で物事を捉え、考えるようにしていくといいと思う。

本を読むことの大切さ

人の上に立つ者はその責任の重さをしっかりと自覚し、本を読んで知見を広げ、あらゆる情報を収集し、労を惜しまず経験を積み重ね、人の心に響く言葉を蓄積していかなければならない。

ミーティングでは、ただのんべりだらりと私の考えを述べているだけでは選手たちも飽きてしまうから、そのような状態にならないよう「どんな言葉で伝えたら選手たちの心に響くか」だけを考えていつもミーティングに臨んでいた。
それてその際に役に立ったのが、たくさんの書物から得た「心に残る言葉」だった。

自分を生かせる環境を選ぶ

著者が入団テストで南海ホークス選んだ理由は、キャッチャーが手薄だったから。「好きなチームだから」「強いチームがいい」ではなく、自分はどのチームに合っているかを考えるべきである。

一般社会でも、学校や会社を「好きだから」「有名だから」という理由で盲目的に決めるのは危険である。

努力の継続は最低4ヶ月を目安にせよ

人は結果が得られないと、それまで続けてきた努力をやめてしまう。
最初の山となるのが3ヶ月くらい経った頃である。

だが、3ヶ月でやめてしまうのはちょっと早い。
なぜなら、ある程度の成果が現れるのは4ヶ月経ってからのことが多いからである。

「努力はいつか報われる」はウソ

正しくは「正しい努力はいつか報われる」である。
人それぞれに努力の仕方がある。
同じ努力をしても、Aさんには合っていてBさんには合っていないこともある。

緊張しなくなるにはどうしたらいいのか?

緊張する場面を数多く経験する」ことに尽きる。特効薬はない。

人間は何のために生きているのか?

みなさんは「人間は何のために生きているか」と自身に問いかけたことはあるだろうか?

私自身が「何のために生きているのですか?」と問いかけられたら「世のため、人のためです」と答えるだろう。
つまらない答えだと思うかもしれないが、心の底からそう思っている。
いろんな人たちと関わることで「人はひとりでは生きられない」「いろんな人の助けがあったからここまで生きてくることができた」ということを体の芯の深い部分で理解した。

つまり、この私も自分のためだけでなく、誰かのために生きているわけだ。
周囲の人たちに感謝しながら、世のため人のために生きる。
それが私が生きている理由である。

「自分は何のために生きているのだろう?」
「自分は何のために仕事をしているのだろう?」
そういったことに思いを巡らすことのできる人は、まったく考えない人たちよりも広い視野で社会を捉えているはずだ。
そしてその視野の広さは、人生の彩をより豊かにしてくれるものとなる。

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