点数
80点
感想
余談が多くなかなか話が進まないが、今後が楽しみになる展開だった。
西郷隆盛、大久保利通、江藤新平、大隈重信、桐野利秋、伊藤博文、大山巌、山縣有朋、木戸孝允など有名な人物がたくさん出てきた。
1巻の内容としては、大久保や西郷の性格の紹介や、征韓論が生まれた時代背景などが書かれていた。
あらすじ
パリで
明治5年、薩摩出身の川路利良は、旧幕臣の沼間守一らと共に司法制度や警察制度を輸入するためにパリへやってきた。
東京
川路は1年間の欧州外遊後、東京への帰路についた。
その船中で西郷隆盛のことなどを話した。
鍛治橋
帰国した川路は司法省の江藤新平、内務省の設立を進めている大久保利通、西郷隆盛の順にあいさつへ行った。
川路は警察は内務省管轄にすべきと主張し、直属上司の江藤の反感を買い、大久保に歓迎された。
情念
両国にある酒楼の中村楼で薩摩人の酒宴が開かれ、中村楼は破壊された。
この時期の薩摩人の酒宴は、将校と文官が乱闘になるため命懸けだった。
川路は周りに被害が及ばないように、あらかじめ警察を配備していた。
征韓論
大久保利通らが欧米外遊に行き、西郷隆盛らが留守政府を任された。
大隈重信は外遊組のスパイとして留守政府に入ったが、征韓論を止められなかった。
西郷は新政府に不満をもつ士族に同情し、外敵を作ることで解決しようとした。
一方で西郷には武力による侵略ではなく、平和的に韓国を開国させて東アジアを欧米から守るという意図があったらしい。
小さな国
大久保と伊藤は「小国が自主権を守るには実力を培うしかない」というビスマルクの考えに共感した。
木戸孝允は帰国後、山内容堂に欧州の実情などの話をし、西郷隆盛に征韓論には反対であることなどを述べた。
渋谷金王町
川路は渋谷金王町にある西郷従道の屋敷で保養していた西郷隆盛をしばしば訪ねた。
川路が「乱がおこるでしょうか?」と聞くと西郷は「乱など、おこるまいよ」と答えた。